君を愛してない・・・
その夜、ラウノは夢を見ました。


一人で森の中を歩いているのです。


どこを見ても、木ばかり。


でも足は勝手に前へ進んでいきました。


そして、開けた所に出ました。


辺りはシーンと静まり返り、不気味なくらいです。


ところが、その開けたところの丁度中心に、一本の大木がありました。


ラウノは近くに行ってみると驚きました。


なぜなら、自分の妻がツルで縛り付けられているからです。


ですが、そのツルというのもたった一本でした。


あれなら、私の力で何とか。


ラウノは木によじ登り、ツルを引っ張ります。


でも、なかなかほどけません。




「ルイス、ルイス・・・目を覚ましてくれ。私のせいでこんな風になってしまったんだな。すまなかった。本当に、後悔している。あの時の私は本当に愚かだった。でも今は、心からあなたを愛しているんだ。それに、偽りはない。」


ラウノはそういうと、ルイスの桜色の唇にキスをしました。



その瞬間、辺りが真っ白になり、ラウノは目を開けていられませんでしたが、しっかりとルイスだけは、離さないように抱きしめていました。





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