君を愛してない・・・
その後すぐに眠った二人。


でも、その夜は少しラウノの様子がおかしかったのです。


真夜中、ルイスは目が覚めて起きてしまいました。


ラウノの腕からゆっくり抜け出して、窓辺に行って少しだけ開けて、外を見ていた時のことです。


後ろから、荒い息遣いが聞こえるのです。



「ラ、ラウノ様!?」

「はぁはぁ・・・・・はぁ・・・」

「苦しいのですか?起きてください!夢です、ラウノ様!!」

「ルイス!!ルイス!!どこへ行った!?」

「私は、お傍におります。ラウノ様!」

「ルイス・・・はぁ・・・ルイス・・・どこにも行かないでくれ・・・」



うなされているラウノの目からは涙が零れました。


首を横に振り、必死に腕を伸ばしています。


ルイスはその腕をとり、ギュッと握りました。


すると、ラウノは目を覚ましました。



「ルイス、ルイス・・・私が悪かったんだ!」



ラウノは痛いくらいにルイスを抱きしめました。


ルイスには、ラウノが一体どうして泣いているのか分かりませんでした。



「ラウノ様?安心して下さい。夢を見ていたのです。私はずっとお傍にいましたよ。」

「今はいなかっただろう?」

「あ、さっき目が覚めてしまって外を眺めていたのです。」

「そうか・・・・・ルイス・・・」



ラウノはさっきと違い、優しく優しくルイスを抱きしめました。



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