君を愛してない・・・
今の私に出来ることは、君に有り余るほどの愛情を注ぐことだと思ってる。

あの時、君ではなく、隣国の姫に目移りしていた時間は、もう取り戻すことは出来ないから──



せめてこれからは、私の全ての時間で、君に愛を注ぎたいんだ。



まだ眠っている妻の唇に、ゆっくりキスをします。




いつでも、君を想ってるよ。

もう私から君を離すことは決してないけど


もしも、この世に私以上に君を愛する人が現れて、君をその人に奪われたらと、ふと考える時があるんだ。
きっと私は、情けない程、君に泣き付いて懇願するだろうな。




私を捨てないでくれ・・・と───



きっと私は、君以外の人間に愛されることもなければ、君以外の人間を愛することもないだろう。



だからどうか、私のこの腕の中でずっと、私と一緒にいてくれ。




ラウノはそう願う毎日でした。





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