君を愛してない・・・
「君を、私の妻だと、他国の王族の者達に知らせるパーティーだよ。」

「・・・・・・そ、そうですか。」



そのための準備で、最近忙しいのね。

それなら、言わないほうが良いわね。



ルイスはそう思い、口をつぐんでしまいました。




すると、そんなルイスの反応を見てラウノは尋ねました。



「ルイス・・・元気がないね。何かあったかい?」

「え、あ、別に何も。」



迷惑をかけたくない。ルイスはそう思ったのに、ラウノは悲しそうな顔をしました。



「ラウノ様・・・・・・?」

「・・・私は、また知らない間に、君を悲しませているのかな?」

「え?」



ラウノはそっと、手をルイスの頬に伸ばしました。



「今の君の顔は・・・あの時の顔と同じだよ。」

「あの時・・・・・?」



そう呟いても、ルイスにはいつのことだか、ピンときません。



すると、ラウノは辛そうに目を伏せ、ゆっくりと話しました。



「以前、君が・・・・・治療していた時の表情だよ。・・・・私に心配させまいと、無理をして・・・・笑っている顔だ。」



絞り出したような声で、ゆっくりと喋るラウノを見て、ルイスはハッとしました。



ラウノ様は、今だにあの時のことで苦しんでいるの?




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