君を愛してない・・・
「あの・・・ぉ、降ろして・・・」



真っ赤な顔を伏せてか細い声で、呟くと



「断る。」

「・・・・・・・・・・」



即座に断られてしまいました。




それどころか、ラウノは更にルイスの腰を引き寄せ、顔を近付けました。



「ルイス?」

「はぃ。」

「私に、君以上に大切なものは存在しないんだよ。」
「・・・・・・・・・・」

「確かに、国は大事だ。大勢の国民の生活があるこの国を、もっと栄えた国にするためにも、私はこれからもっと学ばなければならないことが沢山ある。」

「はぃ。」



ルイスはずっと俯いて返事をしていました。




ラウノ様が正しいわ。

私一人に対して、ラウノ様が背負っているのは、何万人という人々だもの。



ルイスの目は涙でいっぱいになりました。




すると、ラウノは両手をルイスの頬に当てて、顔を上に向かせて、言いました。


「だが、それを可能にするには、君なしではありえないんだ。」

「え・・・・・?」






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