君を愛してない・・・
甘美な口づけの後、体に力の入らないルイスを優しく胸に抱き、ラウノは囁きました。



「謝る必要はない。むしろ、謝るのは私の方だよ。君にそう思わせてしまった私の責任だ。気にする必要はないんだよ。」



ラウノ様・・・・・・



ルイスは、今まで寂しかった気持ちを埋めるように、ラウノの胸に頬をすり寄せ、甘えました。


ラウノもそれに応えるように、ルイスのなめらかな髪に頬を寄せ、頭を撫でました。



「愛している・・・ルイス。君に嫌われたくない、呆れられたくない、悲しませたくない・・・でもっ」



ラウノは言葉につまり、眉間にしわを寄せました。



「私は、知らないうちに君を苦しめて」

「そんなこと、考えないで下さい!」



ラウノの言葉を遮り、ルイスは言い放ちました。



「ラウノ様は、いつも私のことを思ってくださっています。それは十分わかっています。でも、私はもっと、もっとと願ってしまうのです。

だから、私が単に我儘なだけであって・・・キャッ!?」



頬を染めながら、ルイスが話していると、突然体が浮きました。


ラウノがルイスを抱き上げたのです。



「ルイス、それは、本当の君の気持ちなのかい?」





< 47 / 67 >

この作品をシェア

pagetop