神の啓示
俺は、これまで本気で何かに打ち込んだ事が無い。



唯一の後悔はソレなのかもしれない。

どうして、人間は死を恐れるのか。

俺は、具体的に死が恐ろしいとは思わない。
弟は、俺と違って良く出来るし、両親も不安になることは無いだろう。


寂しいのか、俺は、自殺する勇気こそ無いが、死を目前にして、自暴自棄になる事は無かった。



人の死は絶対だ。それは逃れる事は出来ず、常に人について回る。
俺は、純文学を志してあえて偏差値の低い大学に編入する予定だ。

どうしてだろう。



俺は、死を悲しいと思えなかった。

それは、思春期のクールさがそうさせるのか、もともとの冷めた性格がそうさせるのかは分からなかった。



皆は、どう思うのだろう。俺が死んだところで家族が少し悲しむだけで彼女はどうだろう。一ヶ月で忘れてしまうのだろう。



俺は、ほんの小さな命なんだろう。



人並みに彼女を満足させられるデートも出来なかった。

それは、非常に悔やまれる。
申し訳ないと思う。

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