新撰組と過ごしました








刀のぶつかる音




斬られた人々の叫び声




辺りに散らばる死体や鮮血






そこは凄まじい光景だ。


あたしも1人斬った。



吐きそうになって、堪えた。


そして遂に――――



残るはあたしと土方さん斎藤さん、相手の大将のみ。



斎藤さんはかなり深手の傷を負ってしまい、傷口を布で縛り上げて止血しながら木にもたれかかっていた。


土「俺達の勝ちみたいだな、大将さんよ。」


疲れた顔の土方さんが言う。



すると、相手の大将は笑い出した。


あたしは思わず叫んだ。


「何が可笑しいのですかっ!?」


大将「私達は無駄な争いをした。今ここで私が死のうと私達新政府軍の勝利なのだよ。」


土「どういうことだ?」


大将「君達の大将様が降伏したのさ。君達の、負けだ。」


土「何だと?!」


「そんな……。」


大将「今から君達も私達も自由なのだよ、わかるかい?自由なのだよ。」




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