新撰組と過ごしました
すると歳三さんはあたしを抱きしめ、耳元で話始めた。
「さっきな、夢を見たんだ。」
「どんな夢ですか?」
「近藤さんや総司がいてな、皆で酒を飲んでたんだ。そしたらな、総司が『あの世の酒はまずいですよ、土方さん。だからゆっくりそっちで生きて下さいね。』って言ったんだ。」
「あはは…、沖田さんったらそんなこと言ってるんですか?」
あたしは小さく笑った。
「そしたら近藤さんまで言うんだ。『歳は真奈美さんをちゃんと幸せにしないと駄目だぞ。』なんて言うんだ。」
あたしは歳三さんの体に腕を回し抱き着いた。
「あたしはもう幸せですよ…近藤さん…ううん。お父さん。」
あたしはそう言って歳三さんの胸に顔を埋めた。
涙がこらえきれなかった…。
「っと、すまねぇ、真奈美。」
と、歳三さんはあたしの頭を撫でた。
あたしは首を横に振った。
「楽しかったあの頃を思い出してしまって…ごめんなさい。なんか……とまらないです…。」
「いつか……泣かずに笑ってあの頃の思い出話ができるといいな…。そう思わねぇか、真奈美。」
「そうですね…。いつか笑って話したいです。」
「さぁ、寝よう。明日は先生の所にでも遊びに行こう。」
「はい…。」
そうしてあたし達は眠りに落ちた。
あの新撰組の羽織りを着た皆の背中が見える。
近藤さん、歳三さん、沖田さん、斎藤さん、平助君、原田さん、永倉さん、山南さん……
皆さんには感謝しています。
未来から来たなんていうあたしを受け入れてくれて、ありがとうございます。
あたしと歳三さんは幸せに暮らしています。
また会う日は笑って会いましょうね!
また皆で笑いあいたいです!
――End―――