新撰組と過ごしました


起き上がって、しばらくぼぉ〜っとしていると、障子が開いた。


土方さんだった。


「お帰りなさい。土方さん。」


きっと昨日のことを近藤さんから聞いたのだろう。


心配そうな顔をして入って来た。



「…そんな顔しないで下さい。あたしも反省してます。」


「そういうことじゃない……!」


と、土方さんはあたしを抱きしめた。


「土方、さん?」


「お前がこれからのこと知ってようがなんだろうが……変な責任なんか感じようとするなっ!」


あたしは涙声で笑った。


「やだなぁ……。土方さん。そこは、『ただいま』って言うところでしょう…?」


そう言うと、体を離しあたしの涙を指で拭った。


「……ただいま。真奈美。」


「お帰りなさい。土方さん。」


そう言って、あたし達はキスをした。





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