新撰組と過ごしました
裏口につくと原田さんが息をきらして立っていた。
「原田さん…。」
原「あぁ、真奈美ちゃんか…。どうした?」
「もう終わりました。お疲れ様です。皆さんは先に屯所に戻りました。」
そう言うと、背伸びをして笑った。
原「そっか!じゃぁ帰るか。平助もそろそろ戻ってくる。」
「平助君、どこかに行ってるんですか?」
原「ちょっとな。…ほら来た。」
原田さんがあたしの後ろを見る。
あたしもつられて後ろを向くと、平助君が走ってきた。
平「あれ、真奈美じゃん。…もう誰もいなかったぞ?」
「そうそう、それを伝えに来たの。他の皆さんは先に長州の方々を連れて屯所に戻りました。あたしは2人を呼んで、一緒に帰ってくるようにって。」
平「そうだったのか。……そういえば、中は死者いんの?」
「いいえ。中で戦っていた皆さんは無事です。」
そう言うと、2人共目線を下げた。
原「……新撰組からの死者は1人か。」
「えっ………!?」
平「だね。…羽織りと魂だけ、連れて帰ってやろう。」
原「あぁ。」
と言って平助君は血に染まった羽織りを持ってきた。
「……戻りましょう。」
あたしは平助君の持ってきた羽織りに触れ、言った。
「この方も一緒に…」