4度目の正直【短編】
それが1番の要因だったのかもしれない────



あいつを嫌いになったのは…。



「それは悲しいね。」

部活を終えた紀保との帰り道。



「でしょ?…でもそれ以前から嫌いなのは事実なんだけど。」


「まぁ相田君も、知らない間にそんなこと起こってるとかドンマイだけどね。」


「んー…かな?」



それでも毎日付きまとってくる。



だから嫌い。



とにかく嫌い。



「栄ーっ!」


…ウザいぃーっ!



次の日、朝一に遭遇してしまった。



「…もぅいい加減来るの止めてよ!煩いし…それに私、その名前嫌いなの。“ぇぃ”って呼んで!」


「…“栄”だから“ぇぃ”…。てかお前は“さかえ”だろ。何名前変えてんだよ。親さんに悪いと思わないのかよ!」
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