4度目の正直【短編】
「…ごめん。」



やっぱり、この状況に耐えきれなくなった私は、次の休み時間ヤツを廊下に呼び出した。



そして、口の悪さと共に年々大きくなったプライドを捨て、よりによってヤツに…ヤツに謝っている。



「…何が?」


「えっ…何が…って────…」




…何だろう…。



いや、謝ってはいるけど、自分が悪いことしたなんてこれっぽっちも思ってないし…実際何が“ごめん”か自分でもアヤフヤ。



「…あれだよっ…この前の…────嫌い…って言ったやつ…。」



紀保はこれが原因だって言ってたからな────…



「あぁあれ?いいよ別に気にしてないし。」



嘘つけーッ!!



「…てか、それは“嫌い”って言葉を───本当は思ってもなかったのに言っちゃった…てこと?」
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