4度目の正直【短編】
“ん。”の一言で差し出された教科書を見つめて、私は止まっていた。



だって…



未だにこっちを見ないから。




「…おい栄、…いいのかよ?」


「何が?」



そして思った。




「…ね」


「…?」




私はやっぱり



「…死ねッッ!!」




こいつが嫌い。


大っ嫌い。




バンッ



私はその教科書を引ったくり地面に叩きつけ、そのまま教室を出ていった。



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