4度目の正直【短編】
5時15分


私服に着替えた私は、待ち合わせの公園へと歩いていた。



「…どうしよ…緊張してきた…。」




私は震え始めた手で、鏡を持ち最終チェックをする。



「メイク良し、髪…良し!」



あとは先輩の前で声が裏返らないことを祈るだけ!!




スルッ



1人で気合を入れていたとき、手から鏡が滑り落ちた。




「あ…っ」



コンクリートの地面に落ちた鏡は、裏の分厚いカバーが当たったお陰で割れなかった。




「…よかった───…。」



「何が?」



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