4度目の正直【短編】
────何分か経っても、先輩は隣に居てくれた。




沢山の話をした。



「…じゃ帰るか。」



空が暗くなった頃、先輩が立ち上がった。



「…はい…。」




私もゆっくり立ち上がった。



いつもより、身体が重く感じる。




歩く時の足取りも、軽くはない。




それでも先輩が隣より前を歩かないのは、きっと私に合わせてくれてるからだと思う。




「じゃ、…またな。」


「…はい…。お土産ありがとうございましたっ。」




それから私達は別れた。



とても短く感じた時間


かけがえのない、先輩との時間




私は、大切な宝物にしようと思った。



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