4度目の正直【短編】
それから数ヶ月が過ぎ、あと少しで卒業式。



「もうすぐ皆離れ離れになっちゃう…寂しい…。」



紀保が涙目でうつ向く。



「…だね。」


「ぇぃッ…忘れないでね。離れてもまた遊ぼうね!!」



「…てか今日遊ぶんじゃん…。笑」




3年生は今の時期、皆進路が決まっている。



私もある専門学校への進学が決まっていた。



「…そういえば相田君は就職だったよね。」



「…知らないよ、あんなヤツ。」




ヤツとは相変わらずの距離がある。



あっちから吹っ掛けてきたんだから、私から行くのも意味不なのでそのままの状態だ。



「…やっぱ仲直り…しなくてもいーの?」


「さぁ?あっちが何も言ってこないんだから、今のままでいんじゃん?」



「…ぇぃ…どうせもうすぐ離れるってのに…。」

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