4度目の正直【短編】
「…へ?」


「前から…中学の時から好きだった。」




私は夢の続きでも見ているのか



それとも、人生最大の幸せが今目の前で起こっているのか…。




「…ぇぃ?」


「───あっ…の…」



とりあえず返事は決まっている。




“私も…”



「私────」


「返事はいつでもいいから。」



「…え?」


「今すぐとは言わないし、少し…は俺のことも1人の男として考えてほしい…かな?なんて。」




もしかして…



まだ私とヤツのこと勘違いしてる?!



「別に栄との仲を引き裂くとか、そんなつもりはないから…。じゃ…───また…。」




やっぱり…。



…て!!



「祐喜先…ぱ…」




私は、もうすでに遠くの先輩の後ろ姿を見つめたまま立っていた。
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