4度目の正直【短編】
「…何よ」


私の視線は、いつまでも離さない手とヤツの目を行ったり来たり。



…いつもみたく強がってはいたけど、本当は心臓の鼓動が大きくなっているのを感じたんだ。



「…あっごめ…」


ヤツは慌てて手を離した


「…で?何の用?今まで無視してきた野郎が」



冷たくあしらう。


これが、私だから。



「…」



でも…


相手が無反応だとこっちまで調子狂うし。



「…~~っ本当に何なの?!マジでウザいっ!!」



私は耐えきれなくなり、暴言を吐き捨て再び後ろを向いた



そして、ヤツの言葉を聴いた


「ウザくて…嫌い?」



「…は?」



“私はあんたが…嫌いなの!!”



───!

あの時の言葉…


「…やっぱ根に持ってたんじゃん」


「そりゃあ持つって───好きな奴に言われたら誰でも…。」

< 57 / 64 >

この作品をシェア

pagetop