4度目の正直【短編】
「名付けてっ“押して駄目なら引いてやれ”作戦ッ!!」


そう言うとピースをしてみせた。



「…は?作戦って…おまっ…」



私はイライラが最高潮に達し、右手を振り上げた



それを見たヤツは両手で守備の構えをする。



────でも私は、怒りとともに


「…ふ…うぅっ…良かったぁ~~…」



何故かほっとした。



「えっ…栄?何泣いてんだよ?!ちょっ落ち着いて…」


自分でも止められない程涙が溢れてくる。



…こんなの…私のキャラじゃないっ



「…栄も女の子だなぁー」


「黙れっ!!」



───ドカッ


私はどうにか涙を拭い、ヤツの脛を蹴った。



…でも、こんなヤツの作戦にまんまと填められた私は


やっと本当の気持ちに気付くことが出来た。



「私も…」


「痛て…ん?」


「…私もっ…あんたと同じ…かもしれない!」

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