4度目の正直【短編】
「相田君行っちゃったぁ。」


紀保が窓の向こうを見ながら呟いた。



「いいの!あんなヤツ煩いだけだって。あれだけ言っても懲りないんだから暇なんだよ。」


「…ぇぃは本当に相田君のこと嫌いなんだねー。でもこのコンビ、見てて結構面白いよ。」


「面白くない!ストレスの塊だよ…。」



私がこんなにもヤツを嫌っている1番の理由。



それは────



「───24ページを…相田、読め。」


「先生ーっ!どっちですかー?(♂)」



「あぁすまん、相田…栄の方ねっ。」


「だからどっちだよ。(♀)」



「あー…もぅどっちでもいいや。」


「「は?(♂♀)」」


私とヤツは



同姓同名だから。
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