ユメサクラ
入部したての1年生は素振りや玉拾いの毎日。

顧問の先生も女子部の先輩たちも、
プレー中は厳しくて真剣なんだけど、
普段は優しくて親切な人ばかり。


星葉は私立で進学校だから

「テスト前は過去問対策してあげるよ」

って男子部の先輩も優しくしてくれる。




ほんと、がんばって星葉入ってよかった~♪





「……美羽っ!!
もー!聞いてる?」

「あっ……ゴメン
何?」


「あそこっ
一番奥のコートの!今、審判してる♪」

「あ~
谷津せんぱい?
よく見えないよ~」


「美羽さ~
いつもぼーっとしてる時って、
『ユウくん』のこと考えてるの?」


「……っ、そんなことないよっ」


「だって、ずっと好きなんでしょ?」


「…わかんない。」


サヤにだけは
中学の時にユウくんのことを話した。


「川原くんは?
もういいの?」


「受験の前に別れちゃったよ」



川原くんは
私が生まれて初めて告白した男の子。
同じクラスで席が隣で…仲良くなって。

中3の夏が終わってから

「勉強に集中したいから」


って、別れることになった。


川原くんは第一希望の皇陽台高校に受かった。
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