さいころじかる
猫の少年と私
私は庵野城帆波(あんのじょう ほなみ)。県立の上滝(かみだき)高校の1年だ。


まぁこの摩訶不思議な名字のおかげというかせいというか、今まで友達に困ったことはない。黙ってても向こうから「庵野城さんっていうのー?面白ーい!」と寄ってくるからだ。



実は引っ込み思案な私はこれで結構助けられた。「案の定~」という言葉が出る度にからかわれたりしたが、それが逆に話のネタになり新たな友達を得るチャンスにもなった。



それは高校に入っても変わらず続き、1年の4月の終わり頃にはお弁当を一緒に食べる友達もできていた。本当にありがとうお母さん(庵野城は母方の名字)。



まぁでも、名字が珍しいからといって彼氏ができるわけでもなく、今まで華の無い人生を送ってきたんですがね…



自分でいうのもアレだけど私の容姿は上の下くらいはあると思う。だがさっきいった通り人見知りなこともあって男友達ですら……いないこともないけどアレはノーカン



そして今日も私は夕焼け空をバックに家路につく。茶道部は休みだ休み、どうせ行ってもただのお茶会だし


見慣れた風景だなぁ…なんて思いながら自転車をこいでいると、ふと道端に段ボールが置いてあるのに気づいた



いつもなら無視するところを今日はなぜか自転車を止め、それに近寄り、開いてしまった。


その中には…
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