罪血
自分達の知らなかった事実に二人はびっくりした。自分達がそんなに期待されているとは、いつも感じないから。
しかし、自信満々に言い切る颯峰を見て、嘘だとは思わなかった。
「ハハッ!さぞびっくりした顔をしているね。本当だよ。何なら高麗に直接訊けば良い。きっと教えてくれるよ、なんたって、重度の親バカだからねぇ」
颯峰は豪快に笑いながら言った。しかし、ふと真剣な表情に戻ると、灑梛と瑞希と真っ直ぐ見つめ、ゆっくりと口を開く。
「どう?やってくれないかな?日本の、為に。頼めるのが、君達しかいないんだ。このままいくと、日本経済に大打撃を与えかねない。
……頼まれてくれる?」
口調は優しいが、いつもの穏やかな空気はそこには無く、緊張した空気がそこにはあった。
『「仰せのままに」』
そう言って席を立ち、深く一礼すると、灑梛と瑞希は応接室を出た。