罪血
―ウェンディーズside―

俺が忘れ物を取りに教室に戻ると、中からフルートの澄んだ高い音が聞こえた。
ドアを開ければ、黒髪の綺麗な女子がゆっくりと振り返る。紅い瞳が印象的な少女だった。

『貴方は…何か、ご用ですか?』

尋ねてきた。

「あぁ。携帯を、ね…」

俺は、学校では王子様キャラだから、微笑んで答えた。

『何色でしょう?』
「黒」
『分かりました。』

彼女は一緒に探してくれるみたいで、フルートをそっと置いて、教室内を歩き回っていた。

『あ…!』

彼女は、黒いモノを差し出しながら、近付いてくる。

『もしかして…これですか?』

確かにそれは、俺の携帯。

「ありがとう。名前、訊いても良い?」

すると、彼女は少し驚いた様子で

『靈羅 灑梛、です』

答えてくれた。
ふーん、気に入った。
俺のモノにしようかな?

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