罪血
気付けば日は暮れ、辺りは真っ暗。
「あぁ…すっかり暗くなってしまったね。送ろうか?」
『いえ、結構ですわ。』
灑梛はそう言い、席を立つ。
『今日は、ありがとうございました』
玄関先で、ウェンディーズに礼を言う。普段の灑梛ならば、嘘でも聴けない。
「お礼なんかいいよ、僕が呼んだんだし…」
ウェンディーズは靴を履く灑梛を見つめながら言った。
『それでは、おじゃましました』
灑梛は、外に出ようとした。しかし
「待って!灑梛さん…」
腕を引かれ、姿勢を崩し、倒れたのは
―――――ウェンディーズの腕の中。
そう、灑梛はウェンディーズに後ろから抱き締められていたのだ。