罪血
―ウェンディーズside―

コートからそっと抜け出し、階段を登って放送室に着いた。放送室には、トランシーバーや散弾銃などが置いてある。
基本、放送室に近づく奴はあまりいない。隠しておくには最適な場所だった。

俺は制服を脱ぎ、カーキ色のTシャツとズボンに着替える。次いで迷彩柄の防弾チョッキを羽織る。
何度着ても、慣れないよな、重い。重すぎ。
黒革の手袋をはめ、手に散弾銃を握る。
久しぶりの重みに、心が躍る。


トランシーバーのスイッチを押して、組織と連絡をとる。

「こちら、コードナンバー37564。ただいまより、任務を実行する。」
《ザザ…了解した。ザ…細心の注意をザザ…らえ。》

ノイズで聞き取りにくいが、何とか通話できた。
トランシーバーのスイッチを切る。

そして、右側の鉄製のドアを開ける。思わず、眩しさに目を細めた。

時刻は、16時29分。






任務、開始。








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