罪血

ざっと全身に目を向けたところ、あちこちにガラスの破片、銃弾が刺さっている。

灑梛は無表情で刺さったガラスを抜いた。今は、何の道具も持っていない。だから、止血も本格的な治療も、出来なかった。





――――――――カチカチカチカチカチカチ





無機質に鳴り続けるメトロノームが、やけに大きく聴こえた。

ふと灑梛は、自分の身体を見下ろした。
自分にもガラスは刺さり、銃弾も当たっている。そのせいで、右腕は使い物にならなくなっていた。

『ふざけんなよ…これじゃロクに戦えやしない』

そう呟いて、灑梛は立ち上がった。
鞄から、拳銃と銃弾、短刀を取り出す。普段は制服から見えてしまうので、鞄に隠していたのだ。

そして、入り口を見た。

――――――――――ガラッ

「灑梛!?」

一番に入って来たのは、灑梛の母親の、緋梛だった。




一方、瑞希は――――――?

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