罪血
――――――――――――ダァァァン!!!
瑞希は片膝をたてながら。ウェンディーズは背中から床に落ちた。
「うわぁぁぁぁぁっ!!!?」
落ちたときの轟音で、周りの人が我に返る。
「うるっせぇ!!」
瑞希の怒鳴り声が響いた。シン…と静まり返ったなか、瑞希が体育館にいる人を睨み付けながら、口を開いた。
「…こっから出ていけ、今すぐに。まだ死にたくねぇだろ?」
台詞は優しいが、声音は冷たい。
「早くしろ。そんなに死にてぇか?」
そう言えば、わらわらと体育館から人が出ていく。瑞希は、体育館に誰も残っていないのを確認すると、更衣室に行き、ワイヤーを取り出した。
「なぁ、このワイヤー、どんなワイヤーか、知ってるか?」
少し首を傾け、微笑みながら尋ねる。
「な…にが」
「だーかーら、このワイヤー」
ウェンディーズは背中から落ちた衝撃で、肩で呼吸をしていた。肋骨を折ったのかもしれない。
ワイヤーは、太陽の光を反射して、銀色に煌めいていた。