罪血
「うッ…あぁぁぁあぁぁぁぁぁああぁ!!!?」
バタバタと、体育館の床をウェンディーズの血で赤く斑に染めた。
『うるせェな…』
灑梛はあまりの痛さにのたうつウェンディーズを一瞥し、眉根を寄せた。
「ははははは!!ざまぁみろ、灑梛を傷付けた仕返しだよ!!」
ウェンディーズを見て凄惨に笑う瑞希。
「黙れ…黙れ黙れ黙れ!!」
切断されていない右腕で銃を構える。
――――――――――――パパパァン!!
連続して何回も発砲するが、きちんと固定されていないので、避けられてしまう。
「く、そ…」
『ハッ!!全然当たってねぇじゃねぇか!!銃持つには百万年早ぇな!!』
そう言いながら突進する灑梛。
刀を逆手に持ち、高く跳躍する。そのままウェンディーズの右腕の二の腕に、深々と灑梛の黒刃が突き刺さる。
『はあぁぁッ!!』
「……ッ…!!」
刃はそのまま袈裟懸けに振り下ろされた。
血がバタバタと床を染める。血溜まりが幾つか出来ていた。
うめき声を上げながら、ウェンディーズはもんどうりうって転倒した。
そしてよろめきながら起き上がる。かろうじて右腕は動くようだ。
右腕の調子を確認しているその隙を、瑞希は見逃さなかった。
瞬時に跳躍し、ウェンディーズの懐に飛び込もうとする。しかし、それをバク転で交わされ、距離を取られた。
ウェンディーズが着地したと同時に、駆けてきた灑梛が間合いを詰めて斬り込んでいく。一瞬の判断で横に跳んだウェンディーズの首があった場所を、灑梛が横薙ぎに払った。