Six Room
俺は女を軽蔑した目で見る
「何よ?
そんな目で見ないでよ!」
「ふざけ…」
俺はでかかった言葉を
慌てて飲み込む
危ない
相手を刺激したりしたら
余計めんどくさい事になる
「もう遅いし
帰ったら?」
俺は顔が今までに
無いくらいひきつってるのを
感じながら
無理矢理笑顔を作る
「…分かった
また明日」
と女は意外とあっさり
俺から離れ
エントランスを出る
はぁ
とりあえず出ていってくれて
良かった
でも安心は仕切れない
まだ絶対何かあるに
決まってる
俺は郵便受けを開けて
ため息をつく
…やっぱり
大量の白い封筒がバサバサと
俺の足元に落ちる
もう本当に疲れた
何がまた明日だよ!
明日にはもう俺は
ここにいね―よ
バーカ
俺は心の中で叫ぶ
もう我慢ならない
俺はマンションから
Uターンして
早足で少し周りを警戒しながら
さっきの不動産屋に戻る
ちょうどもう店を閉めようと
してる所で
店にはさっきのお姉さんしか
残っていなかった
俺はシャッターを
閉めようとするお姉さんの
手を掴んで引き留める
「…もう今からすぐ
引っ越せるとこなら
どこでもいいんで
契約お願いできますか?」
お姉さんは少し困った顔で
考え込む
少しして小さな声で
お姉さんが言う
「…あの、
シェアハウスでしたら」