Six Room






うぅ



悠莉って冷たい




私はだんだん涙目になってくる







「どうしよぉぉぉ」






「はいはいはい

泣かない泣かない



うっとうしさが増すから」





「悠莉ぃぃ」




「あ、」





悠莉が突然何かを
思い出したように言う






「何?何?




いい案思いついた?!」





ちょっぴり期待






「河原さんに
どうにかしてもらえば?」






美亜は期待はずれの言葉に
がっかり肩を落として
黙り込む







「え?


だめなの?」






「…誠司はだめなの」







「何で





河原さん物分かりいいから





パパママには内緒で
どっか借りてくれたり
しそうじゃん」








「誠司に力借りたくないの!!




誠司には相談したくないの!!




家出した事言いたくないの!」




「はぁ?



っていうか本当に
みゃあってアホだね」





悠莉の言葉に美亜は
むっと頬を膨らます






「どう考えても
普通にママパパからバレるでしょ」







「…それはさすがに
分かってるもん」







悠莉ってば
美亜の事バカにしてる





それにママパパの前に
誠司が私が居なくなった事に


最初に気付くはずだもん







「言っても言わなくても
結局同じじゃん?






ていうかもうすでに
あんたの家今頃
大騒ぎだと思うけど?」





確かに




そろそろ警察とか
使って私を探しにきそう





「…帰った方が
いいんじゃん?」





もう!



悠莉分かってない!





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