Six Room


マックに向かう途中
いきなりしゅしゅが何かを
見つけて立ち止まる



「しゅしゅ~?


どうした?」




俺はしゅしゅの視線をたどる






たどり着いて
やっぱりと思う






しゅしゅが立ち止まる時は
決まって可愛い女の子か
食べ物を見つけた時だ



「しゅしゅお腹すいたし
早く行こ」


電話中みたいだし




俺はしゅしゅを引っ張る










ぐ…



動かない





俺はしゅしゅを説得しようと
しゅしゅの前に座り込む






「やだやだやだ!!!


死んでも絶対帰らない!!」



いきなり女の子が
大きな声で叫んだから





俺はビックリして
思わずしゅしゅのリードを離す



…しまった




「ワン!」


しゅしゅが女の子の
足元で吠えて




更に足をすりすりする







女の子は突然吠えられて
びっくりしてる


とりあえず謝らなきゃ
と俺は女の子に声をかける



「あの…」



女の子が顔をあけで
目が合う







可愛い



…じゃなくて





「今忙しいので!」


可愛いとか思ってる間に


ウチノイヌガ
ゴメンナサイと言いそびれる


「い…忙しいの?」

「ワン?」




忙しそうには
見えないんだけどなぁ


俺は首を傾げる




「だから
忙しいから構わないで!!」





ん?


もしかしてナンパだと思われてる?





俺は心の中で
しゅしゅのバカ変態犬!!
と叫んでしゅしゅを睨んでやる



しゅしゅは気付かず
しっぽをふりふりしてる


呑気だなぁ





しょうがなく俺は
適当に理由を考えて謝る



「ごめんね

なんか泣いてたみたい
だったから」


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