Six Room
「み…見てたの?!」
女の子がいきなり
顔を上げたから
俺は少しびくっとする
しゅしゅも少しびくっとして
しっぽをふりふりするのをやめる
…ていうかほんとに
泣いてたんだ
「いや(俺は見てないけど)
…うん?
(しゅしゅが目撃してたカモ)」
「最低」
と女の子は俺を
大きな目できっと睨む
…すごい目力
「ごめんね」
と俺は顔の前で手を合わせて
もう一度謝る
「ワン…」
さすがにしゅしゅも
反省してるみたい
その時
女の子のお腹がぐぅーとなる
「お腹すいてるの?」
と俺が聞くと
女の子の顔がとたんに
かぁ―と赤くなる
恥ずかしそうに女の子はうつむく
あ
いい事思い付いた!
「お詫びに何か奢るから
それで許して!」
女の子は少し不信
そうに俺を見る
俺は「ね?」
とにっこり首を傾げて笑う
「ワン」
女の子は少し迷ってからう
つむいたまま俺に言う
「じゃあ奢って」
「うん
任せて!」
俺って人が困ってると
ほっとけない
それに、やっぱり人に
頼られると何だか嬉しい♪
俺は少し歩いて
ある場所で止まる
「…ねえ
どうしてマックなの」
女の子は不機嫌な声で
不満そうに言う
「マックだめ?」
…だって金欠なんだもん
女の子はため息をついく
「パスタとかが良かったのに」
「じゃあファッキンにする?」
「そうじゃなくて…」
と女の子は呆れた顔をする