Six Room
「ふ―ん」
と女の子は疑がうような
目で見る
あ
とっさに俺は思い付く
「俺ら家出族だね♪」
「ワン!」
「変な名前つけないで」
…う
冷たい
女の子はハンバーガーを
頬張りながら
俺を再度睨む
あぁぁぁ
せっかく可愛いのに
しばらくして
女の子はふと不思議そうに聞く
「なんで
家出だって分かったの」
俺は女の子の持ってる
ゴロゴロに目を移す
「だってゴロゴロ
持ってるし」
一瞬女の子は
考える
「キャリーバッグの事?」
「そう、それ」
キャリーバック
っていうのか
女の子がなぜか
じぃ―と俺を見つめる
「なんかついてる?」
と俺は首を傾げる
女の子はしょうがないなぁ
と言うように
俺のほっぺについた
パンのかけらを指でとる
「はい」
「ありがとう」
と俺はにっこり笑う
そう言えば
誰かに似てる気がする…
俺は女の子をじぃ―
と見つめてみる
あ
分かった
猫だ
白い猫じゃなくて黒猫
俺は自分で心の中で
勝手に納得する