Six Room
「…1人で住むの?」
「ん?俺?」
「それ以外に
誰がいるの?」
俺は隣に座ってる
しゅしゅを指差す
「人じゃないでしょ」
あぁそうか
俺が笑うと
しゅしゅも笑う
「いや6人」
俺はカバンからパンフを出す
「ここ!」
俺は指をさす
「ふ―ん
キレイなとこだね」
「まだ3室ぐらい
空いてるみたいだよ」
「…ふ―ん
いくらなの」
「5万」
「美亜も
そこに住もうかなぁ」
え
嘘
「わ―い
家出族が1人増える♪」
「その呼び方はやめて!!」
女の子はもう一度睨む
目力強すぎる
「食べ終わった?」
「あ、うん」
「じゃあ出ようか」
と俺は立ち上がる
女の子も立ち上がって
一緒にマックを出る
「じゃあバイバイ」
俺は手を振って
背中を向ける
しゅしゅは未だに
女の子をじっと見て
異様にしっぽを振ったままだけど
「待って!」
女の子はちょこんと
俺の服の裾をつかんで
引き止める
その仕草にきゅんと胸がなる
「…あの
美味しかった
ありがとう」
不器用に
お礼を言って少し笑う
今初めて笑った気がする
可愛い…
「いいえ」
嬉しくなって
つい俺も笑顔になる