Six Room


「待って!!」


再び女の子は俺を
引き留める



「どうしたの?」



俺としゅしゅは
振り向く



「不動産や



一緒に行ってくれない?





引っ越し方分からないの」




どうやら彼女は



ちょっとワガママで
ツンデレで




でもほんとは1人じゃ
何も出来ない


守ってあげたくなるような
女の子みたいだ



「おっけ



任せて!」







俺は親指を立てて
手をぐーの形にする





俺は想像してみる




同じ家に

この子がいたら
毎日幸せだろうなぁ




それに何だかこの子
ほっとけないし



引っ越しの手続きは
ついこないだしたばっかだから
おてのもと?



あ、お手の物だ!



手続きを済まして




不動産やの前で
タクシーを止めて

俺は後ろの座席の
ドアを開ける





女の子が後ろの座席に座ると




続けて俺としゅしゅが

後ろ座席に乗る





「前に座ればいいでしょ?」

と女の子はちょっと嫌な顔をする




「いいじゃん♪」





俺は楽しくて

嬉しくて

ワクワクで





自然に顔が笑顔になる





「ワン♪」


しゅしゅも楽しそうに
しっぽを振る




女の子はしゅしゅを膝に乗せて

外を眺めてる






なんていうか


…可愛い







3時間ぐらい山道に
揺れて




新しい家の前に着く








…やっぱり広いなぁ




下手すりゃ大学寮全体より
広いかも







「家出大成功♪」




女の子はどや顔をこっちに向けて
ピースサインを作る






俺もピースサインで
返して





「大成功おめでとう♪」
にっこり笑う






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