Six Room
2人は「ねっー」と顔を見合せて
うんうんと頷く
バカみたい
「全然大変なんかじゃ
ないですよ~
毎日楽しいです
私女生徒に睨まれてるんですか?
気付かなかったです…」
私はとぼけて
全く知らなかった振りをする
ちょっとしゅんとした
演技も添えて
前に座った男の人達は
もう私に興味津々な様子
男って単純なんだから
女生徒に恨まれる可哀想な私を
守ってあげたいと思うに決まってる
私が学校で嫌われてるって
言いたいんでしょう?
でもね
それって逆効果
2人はさりげな―く
私の悪口をばらまいてる
つもりなんだろうけど
悪口にもなってないし
それに悪口を言う
女の人はモテない
「え~
気付いてなかったんですかぁ?」
早苗先生
早苗先生
それって
自虐プレイ?
私は綺麗に作った
笑みを崩さないまま
心の中でクスりと笑う
「お待たせしましたっ―」
ちょうど運ばれて来た
食べ物を私は店員さんから
受け取ってみんなの真ん中に置く
もちろんすかさず
みんなの分も取り分ける
ちなみに私みたいなデキ女
はモテる
「…ちっ」
恵先生
恵先生
聞こえてるよ
舌打ち
ちゃんと周り見て!
男性陣引いてるよ?
もう一度心の中でクスり
だけど
絶対顔には絶対に出さない
そこがデキ女の秘訣