Six Room



「あ、私仕事が残ってるので






そろそろ帰りますね



ごめんなさい





またお食事誘って下さいね」







私はゆっくり立ち上がって
1人1人顔を見合わせてから
お辞儀をする








そしてカバンからお財布を取り出す





「大丈夫です



後でまとめて払うので」


と真ん中の人がお財布を
出そうとする私の手を止める





「いえ、大丈夫です」




「いやいや

いいから、ね?」





「じゃあお言葉に甘えて…」



私はまたにこりと悩殺スマイル





「恵先生、早苗先生
また明日学校で」






私は早苗先生と恵先生に
手を振る



早苗先生と恵先生は
私が退散するのを嬉しそうに
にこにこ笑って手をふりかえす













…これが



女教師達の悲しい
合コンの現場









女の世界は怖い。










私が身に持って
そう感じる場所










私は足早に家に向かう













私の家は

学校からちょっと離れた
小さな小さなアパート









築60年のボロアパート










こんなとこに住んでるなんて
絶対誰にも知られたくない








特に早苗先生と恵先生には









もし知られたとしたら…






私はちょっと想像してみて
ブルブルと震える







一貫の終わりが
目に見える









私は家に向かう足を早める





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