Six Room




その後
愛花は見事希望の大学に
合格した





愛花も大学生活
毎日楽しそうで


良かったと
安心していた






でも





愛花が大学に入って
ちょうど一年半してから
くらいだった







何かを私に隠し始めたのは








何を隠してるのかも
なんとなく分かったけど





教えてくれないのは
すごくすごく寂しかった









それでやっと昨日
愛花の隠していた
ものが何か分かった









“男”にはもう
こりごりだと思って
ずっと生きてきたし





大事なたった1人の
娘をまだ信用仕切れていない
男に簡単に渡しはしたくなかった








でも
せめてよく話し合いたかった





そしたら
ちゃんと大人になっていく
愛花を受け止めて背中を
押してあげれたのに





昔、母が言ってくれたように




“愛花が決めた事なら
とやかく言わない


いつまでもたった1人の
娘だから”
と伝えたかった





伝える前に
愛花は一方的に




“この人と暮らしたいの”
と出ていってしまった








途方にくれた







どうすればいいか
分からなくなった










その時だった
ふと私の目にある広告が
目にとまった








“家賃たったの5万円!!
6人住めるシェアハウス”


そう大きな字で書かれた
広告には大きなお屋敷みたいな家が
載っていた




大きな庭までもある




よく見ると下の方に
見つけにくい小さな
ただし契約1年と記述されている






“この家に1人で過ごすには
愛花のおもかげが多すぎて


寂しい…”
そう感じてた私は





ここに住む事を
すぐに決めた







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