Six Room







20分くらいしてピンポーンと
インターフォンが鳴る













…早









さすがの元陸上部。










ピンポーンに反応したのか










ながーい廊下を早歩きで進む俺を
追いこしてしゅしゅが玄関でしっぽを振って




早くドアを開けろと
せかすみたいにじっと俺を見る










俺が玄関のドアを開けると
白いワンピースを着た夏奈が
ちょっと不機嫌に待っていた








「夏奈



おはよう」










と俺が言うと






「もう、朝じゃないけどね」
とちょっと笑う









しゅしゅが夏奈に飛びついて
しっぽを振る







夏奈はしゅしゅの頭を
撫でながら




「約束、


忘れてたの?」と聞く









「ごめん




約束忘れてた訳じゃないんだけど…










…まだ怒ってる?」













「ちょっとね」











…根に持つな












「嘘





もうあんま怒ってないし




いいよ、許したげる!!」






いつもの明るい夏奈の笑顔に
ちょっとほっとする













「…それに」








「ん?」










「ただ単に



ちょっと律っちゃんに
会いたかったの」








夏奈のちょっと恥ずかしそうな小さな声が
ちょっとガチなトーンすぎて俺は返答に困って
黙り込むと









「ち…違うよ!?!?




しゅしゅに会うついでに会いたかっただけで!!
引っ越した家も見たかったから!!







あ!!あと!




500円返そうと思って!!」






夏奈が慌てて訂正する







…500円ね

































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