桜爽の風。
「まだこの地に来たばっかで…」
「あぁ!それでわかんなくなっちゃったのか。携帯は持ってこなかったの?」
うぐっ。
痛いところをつかれた。
「それが…―忘れました。どうせ使わないと思ったんで…」
「新しい場所なのに携帯持ってこないなんて挑戦者だね」
とクスリと笑ったのが分かった。
どんな表情だったか、そこはわからないけど確かに彼は笑った。
「ついたよ」
いつの間にか自転車は目的地の公園についた。