桜爽の風。







母と約束したことも初日そうそうに破ってしまった。



そういえばさっきの男の子、名前くらい聞いておけばよかったな。



彼には本当にお世話になった。



今度どこかで会ったらお礼しなきゃな。



でもいつまた会えるのかわからないな。



もしかしたらもう会えないのかもしれない。



んー、と考えているときに「菜子ちゃーん、晩ご飯出来たわよ!」と由紀さんがあたしを呼んだ。



呼ばれた瞬間あたしの頭の中から男の子は消え、"由紀さんの手料理"というほうに気をとられてしまった。







< 17 / 54 >

この作品をシェア

pagetop