桜爽の風。
「もー菜子、早く座って!由紀ちゃんの料理食べられないわよ!」
お母さんに急かされて、椅子に座った。
…――それからお祭り騒ぎでご飯を食べた。
弘一さんとお母さんはお酒が入って、2人で飲み比べしたり、だる絡みしてきたり、あげく2人してソファーで爆睡。
あたしと由紀さんはお祭り後の片付け。
「由紀さん、すいません。お母さんが…「いいのよ」
由紀さんに言葉を遮られ、にっこり笑いかけてきた。
「久しぶりに紀子とご飯食べられたし、楽しかったし。何より紀子の笑顔久しぶりに見れて嬉しかったの。それに菜子ちゃんもいたし」
由紀さんは片付けながらあたしに語ってくれた。
「紀子も嬉しかったのよ。1人娘の菜子ちゃんをここまで育ててきて、ましてや自分と同じ学校に通うことが。それに…」
由紀さんから聞いた母の思いを知って、「お母さんありがとう」と改めて感じた。