桜爽の風。
「菜子はチャリでこけて捻挫したんやで。結構ひどくて病院行きや。だから皆労ってあげてな!」
「ちっちぃ…!」
クラスの皆に聞こえるくらいの大きさで声をあげるちぃ。
けどそれが恥ずかしくて、チャリでこけて捻挫したことが格好悪くて。
「せやかて言わんとかんと皆不思議がるやろ?松葉杖なんかついて、どうしたんか気になると思て。うちやったら気になんもん」
ちぃにそう言われてなんだか納得してしまう。
キーンコーンカーンコーンと予鈴がなるとあたしを見ていたクラスの皆が席につきだした。