桜爽の風。
桜木くんの気迫に負けて自転車の後ろに乗ることにした。
「足痛いだろうけど我慢してね。松葉杖返してくるから」
桜木くんはあたしを後ろに乗せた後に保健室に松葉杖を返しにいった。
戻ってくるとすぐに自転車を走らせた。
「ありがとう桜木くん」
「そんな足じゃ無理でしょ。普通に考えて。七海はちょっと抜けてるってか、アホなとこあるよね」
笑い混じりにそう言う桜木くん。
「方向音痴だったり、チャリでこけたり…」
「方向音痴は…そうだけどチャリはチェーンが外れちゃったんだよ!」