桜爽の風。
「どうかしましたか?」
「それがね、卵と醤油がきれちゃって…買ってきてもらいたいの。本当はあたしが行こうと思ったんだけど、手が離せなくて」
「いいですよ」
「ごめんね。休んでてって言ったばっかりなのに」
「いえ、これぐらいお安い御用です。居候の身ですから」
「じゃぁお願いね」
そういって由紀さんはお金を預けた。
パーカーを取りに部屋に戻り、そのまま由紀さん家を出た。
4月といえどまだ夜は肌寒かった。
空を見上げると星が綺麗に輝いていて、地元で見る星とは全く違った。
しばらく歩いたら、由紀さん家から少し離れたところにスーパーがあり、そこで頼まれた卵と醤油を購入。