よっしゃ、恋愛小説を書こう
本当は少し話を書き始めてたけど。

女の子の設定とか、男の子の設定とか……

どういうなりゆきで二人が近づくのか考えただけの、ほとんど冒頭で止まってたから、ためらわず最初から書き直す。

今思いついたやつのほうが、おもしろそうだし。

タイトルは……なんにしようかな。

ちらりと、啓介を見る。

焼けた肌に、スポーツ刈り。……あ、ほかに特徴ないや、コイツ。

手には、『我輩は猫である』。

(……わ……わ……『私達は幼馴染みである』……。センスないな、あたし)

でも、とりあえず仮タイトルということで、そうつけておく。

なんか、なんでそんな宣言してるんだろう、この小説、みたいなタイトルだ。

読んでくれる人いるのかな。

まあいいや。中身で勝負! うん、そうだ。書いていくうちに変えればいいし。

ケータイの右上に表示されているデジタルを見る。

昼休みが終わるまであと10分。

物語が始まるとこくらいまで、書けたらいいな。
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