LAND~約束の丘~
あまりに遅いので、そらに電話をかけてみた。
「・・・もしもし。」
「あっ、そら?
俺、轍平だけど。
もうみんな集まってるけど、今どこにいるの?」
「轍平・・・そのことで話があるの・・・。
今から会えるかな?」
「ちょうどよかった。
俺からも話があるんだ。」
「じゃあ、あの丘の上で。」
「おっけー。」
いつからかあの丘の上は俺らが会う時の場所になっていた。
自然と足がはやまる。
緊張、不安、いろいろな気持ちが渦巻く。
俺がつくと、そらはもうそこにいた。
「轍平、急にごめんね?
今大丈夫だった?」
「うん。
それより、話って?」
「轍平も話があるって言ってたよね?」
「ああ、でもそらが先でいいよ。」
「えー。轍平が先に話してよ!」
本当に告白というものは勇気がいる。
でも、友達のままじゃ辛い。
もう、いくしかない!
「・・・じゃあ言うね。
そら、俺実はさ・・・
まだそらの事が好きなんだ。
1回ふられちゃったけど、あきらめきれないよ。
だから・・・俺と・・・付き合ってください。」
言う事は言った。
俺はそらが口を開くのを待つしかなかった。
そして、やっとそらが口を開いた。
「轍平・・・
ごめん。
私、アメリカに留学する事にしたんだ。
だから日本の高校には行かないの。
黙ってて本当にごめんなさい。
今付き合ってもバラバラになっちゃうし・・・
だから、付き合えないよ・・・。」