LAND~約束の丘~
それからは準備に追われる毎日。
1日1日があっという間に過ぎる。
そしてついに、出発の日がやってきた。
祥太は見送りにきてくれると言ってくれた。
轍平はきてくれるかな・・。
お父さん、お母さんと家を出た。
タクシーに乗り込む。
大好きなこの街も、今日で最後。
窓から流れる景色がだんだん滲んでいく・・・。
空港につくと祥太はもう来てくれていた。
「そらー。
ついに出発だな。
今日まで本当にいろんな思い出ができたね。
アメリカに行ってからも俺のこと、忘れないでね?
あと、美沙のことも・・・。
これ、俺と美沙から。」
きれいに包装された箱を渡された。
「うん。
今日まで本当にありがとう。
絶対に忘れないから。
2人も私のこと、覚えていてね。」
「当たり前じゃん!」
「これ、開けてもいい?」
うなずくのを確認して、私は包みを開いた。
中には香水が入っていた。
「そらに似合う香りだと思って。」
「ありがとう。
絶対につけるから。」
私はその香りが気に入った。
それから祥太としばらく話していたが、轍平は来なかった。
すると、私の携帯が鳴った。
轍平からのメールだった。